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宝の地図?


もうすぐ夏休み・・・そんな暑い日の午後。
白い大きなマンションが4つ、2棟ずつ横に並んで2列、広い敷地内に建っている。
小さな男の子が困ったようにマンションを見つめ、やがて1つのマンションに
恐る恐る入っていった・・・・。


小さな彼の手には水色の封筒が握られていた。













「ただいま〜」
学校から帰り俺はふらふらになりながら玄関のドアを開け
台所に直行した。
「お帰り・・・・今にも倒れそうな顔してるわね・・・」
母さんが夕食の準備をしながら言った。
「今日の体育の授業きつくて・・・お・・・お腹すいて・・・夕飯までもたない・・・」
そう言いながら夕飯のおかずであろう揚げたてのコロッケに手を伸ばす。
が、母さんに阻止されてしまった。
「もうすぐだから我慢しなさい!」
そう言われて俺が悲しそうな顔をしていると母さんがため息をつき言った。
「・・・稔・・・・・もう少しシャキッとしなさい・・・」


俺の名前は小林稔 中学1年生 クラスでも2〜3番目くらいに
背が小さくて、良く食べるくせにちっとも肥らない。
人からはよく「のんびり屋」とか「ぼんやりしてる」とか言われる。
自分自身のんびりなのは自覚しているが「あんたっていつも幸せそうよね」
・・・と言われた時にはさすがに反論した。
「俺にだって悩みはある!」
・・・が、悩みって何?・・・と聞かれ・・・・答えられなかった・・・。





俺はつまみ食いを諦めて居間で大人しくテレビを見ることにする。
少しでも体力の消耗を防ぐため畳の上でうちあげられたマグロのように横になっていた。
ちょうど夕方のニュースが流れててぼんやり見ていた。



「ひどいなぁ・・・」
ニューズの内容を見て思わずつぶやいてしまった。
小学校1年生の少年が殺された事件。まるで殺すのを楽しむかのように
残された多くの傷跡があったみたいで・・・・。
無残な姿で発見されたそうだ・・・。
犯人はまだつかまっていない。
恐いなぁ・・・・しかも・・・ここの市内で起きた事件じゃん。
どんなに痛かっただろう・・・自分がそんな状況になったら傷付けられる
前に気絶するな・・・きっと・・・。

そんなことを考えていて・・・ふと、部屋の隅に重ねてあった雑誌の間に水色の
紙が見えた。
何だろう・・・と思い匍匐前進で側まで寄って・・・水色の紙を引き抜いた。
紙は・・・水色の封筒だった・・・・切手などは貼ってなくて・・・差出人の住所も名前も
書いていない。ただ、封筒の表に子供の書いたような字で『みのるくんへ』
と書かれていた。
俺宛じゃん。
封筒を開けると中から1枚の紙が出てきた。
これまた子供が描いたような・・・・絵・・・・いや、地図だ・・・・・。
B4の真っ白い紙に色鉛筆で描かれた地図のような物。
紙の右下に『プレゼント かずゆきより』と書かれていた。


何だこりゃ・・・。
俺の友達に『かずゆき』なんていないし・・・・。だいたいどう見ても
これは小さな子供が描いた物だよな・・・・。小さい子供の知り合いなんていない。
イタズラか?
深く考えるのが苦手な俺、早々にイタズラだと見切りを付け
封筒に紙を入れ元の場所に戻した。


でも・・・・『かずゆき』・・・て何処かで聞いたような名前だな・・・・。


俺がそう思った時
「稔!!ご飯の用意出来たわよ!!」
台所から母さんの声がした。

俺はやっと空腹から解放されることで頭が一杯になり水色の封筒のことなんて
すぐに忘れた。
2001.5.7


(ちょこっと後書き)
始めてしまった・・・・(汗)最後まで書けるのか?一応推理物っぽく書こうと思ってますが
私にはダメダメな物しか書けないと思います・・・。広い心で読んで下さると幸いです・・・・。
穴や矛盾・・・見逃して下さい・・・(汗)こ・・今度こそゆっくり書くぞ!!
主人公の稔君、とことんマイペースで緊張感は最後までないでしょう!(笑)